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長文をスラスラ読みたい!

数百人のビジネスパーソンの英語力を鍛えてきた現役講師が、「速く」「正確に」読むための具体的なトレーニング法を紹介します。

英語の読み方のコツを知ろう

英語長文読解

私は都内でビジネスパーソンのための英語スピーキング強化ジム「ENGLISH Lab.」を運営しています。

 

本記事は次のような学習者の方に向けて書いています。

・英語の長文読解が苦手な人(TOEICスコア目安:850点未満)

・TOEICのリーディングスコアを上げたい人

・リスニング力をつけたい人

 

この記事を読むことで次のことを知ることができます。

・正しい英文の読み方

・英語の長文をスラスラ読むための具体的な練習法

・リーディング力とリスニング力の密接な関係

 

それでは、さっそく見ていきましょう。

 

なぜ英文の読解スピードが遅いのか

リーディングが苦手な人は、ほぼ例外なく読むスピードが遅いです。

読むスピードを無理に速めると、今度は書いてある内容を正確に理解できなくなります。

 

なぜ一定量の英語の文章を読むのが遅いのか? 答えは実にシンプルです。

 

英語を英語の語順で読むことができていないからです。

 

学校で習った読解方法に問題あり

日本で英語教育を受けてきた人は、英語を日本語に訳す方法で長文読解を勉強してきたはずです。

 

ご存知のとおり、日本語と英語は語順がまったく異なります。

そのため、長文読解の際、返り読みをするクセがついてしまっているのです。

 

日本語を日本語の語順で読めないとどうなるかを想像してみればわかるはずです。

新聞記事1つ読むのにも、とんでもない時間がかかるはずです。

 

残念ながら、日本の英語教育では、そういった非効率な英文の読み方が教えられてきたのです。

 

英文をスラスラ読むための法則を知ろう

次の文章を10秒以内に読んでみましょう。

I received a letter from my boss in Singapore yesterday.  He expressed his concern about the conflict currently taking
place in our plant in Manila.  It seems some of the workers are upset about their salary.

 

10秒以内で読めて、100%内容を理解できていれば問題なしです。

多くの人は、たとえ時間内に読めたとしても、内容理解が曖昧になってしまうのではないでしょうか。

 

では、どうしたら「速く」「正確に」読めるようになるのか?

そのためには、次の2つの読み方を実践することが不可欠です。

1. 英文を前から読み進める(≒返り読みをしない)

2. 英文を1語1語ではなく、「意味のかたまり」単位で読み進める

 

ここから具体的なリーディング強化のための学習法を紹介します。

 

スラッシュ・リーディングで速く正確に読む力をつけよう

「スラッシュ・リーディング」とは、英文を意味のかたまり単位でスラッシュ(/)を入れながら読む方法です。

先ほどの文章を使って、見ていきましょう。

I received a letter /       私は受け取った

from my boss /           上司から

in Singapore /          シンガポールにいる

yesterday. //          昨日

He expressed his concern /      上司は懸念している

about the conflict /       紛争について

currently taking place /     現在起きている

in our plant /              わが社の工場で

in Manila. //              マニラにある

It seems /             (以下の)ようだ

some of the workers are upset /   労働者の何人かが怒っている

about their salary. //      サラリーについて

 

今度はしっかりと内容が理解できたはずです。

 

このように

 

「スラッシュを入れて」

「意味のかたまりごとに」

「前から返り読みをしないで読みすすめる」

 

これが「スラッシュ・リーディング」です。

 

スラッシュはどこに入れるのか

スラッシュ・リーディングを独学で進めるには、

「どこにスラッシュを入れるのか」

を知っておく必要があります。

 

これは人によって考えは異なりますが、私は自分の生徒さんたちには、次のようにお伝えしています。

スラッシュを入れる位置
1. 前置詞(例:for, of, from...)の前
2. 関係詞(例:which, who, where, what...)の前
3. 接続詞(例:and, but...)の前
4. that節(省略されている場合も含む)の前(例:I think (that)..., I know (that)... )
5. to不定詞の前
6. 長い主語(例:people who were born in the United States of America) の後
7. カンマ・ピリオドの後

 

実際に英文を用意してスラッシュ・リーディングをしてみよう

1つ英語の文章を用意して、このルールに従ってスラッシュを入れてみましょう。

そして、返り読みは絶対にしないで、前から前から読み進めてください。

 

慣れるまでは、ゆっくりで大丈夫です。

とにかく、英語の語順で読み進めるクセを身につけてください!

 

リーディング力がアップするとリスニング力もアップする

最後にスラッシュ・リーディングで読解力を鍛えるもう1つのメリットをお伝えします。

 

それは

 

リーディング力が向上すると、リスニング力も向上する

 

という点です。

 

英語の語順で読めないものは、絶対に英語の語順で聞き取ることはできません。

リーディングは前に戻って内容を確認することができますが、リスニングでは不可能です。

読んでもよく理解できないものを聞いて理解するというのは、原理的に不可能なのです。

 

できるとしても、せいぜい部分的に聞こえた単語をつなぎ合わせて、全体の内容を想像する程度でしょう。

TOEICでは点が取れても、実際に英語を聴いたり、まして話せるようになることは決してありません。

 

リーディングとリスニングの双方を鍛えるために、ぜひスラッシュ・リーディングを試してください!