履歴書に「TOEIC900点」。
しかし、実際に英語を使う業務につくと全く話せない…
TOEICのスコアは英会話力を測るのに適しているのか、正しく英会話力を測定する方法をお伝えします。
実際、TOEIC900の英会話のレベルはどの程度なのか?
私は、都内で「TOEICはハイスコアなのに話せない」学習者のための英語スピーキングジムを運営しています。
受講生のTOEICスコアは600点前後~990点(満点)までです。
かなり幅はありますが、全体の約3割はTOEIC900点以上(もちろん非帰国子女)です。
これまで数百人の受講生とマンツーマンで向き合ってきました。
そして、今も毎日のように900点ホルダーと1対1でスピーキングのトレーニングをしています。
結論から言えば、私の経験上、TOEIC900点で「ビジネスでの英会話に全く支障がない」という人は1人もいません。
TOEIC900点ホルダーが抱える憂鬱
私のところに来る900点ホルダーの悩みは共通しています。
「業務上、英語を話さなきゃいけない。でも、言いたいことが全く出てこない。」
「スピーキングが苦手なのに、TOEICのスコアが高いから、周りからは『英語を話せる』『英語人材』として見られ、困っている」
私が知る限り、900点オーバー(帰国子女や長期留学経験者を除く)の悩みは、この2点に尽きます。
彼らは、体系的なスピーキングのトレーニングを経験していないので、話せないのは当然。
むしろ、日本の英語教育の中で育ったのに、TOEIC900以上を取得しただけでも立派です。
悪いのは、「TOEIC900点=英語ペラペラ」だと勘違いしている日本社会のほうです。
TOEICだけで「英会話力」を測ろうとする企業側が悪い
そもそも、なぜ多くの日本企業はいまだにTOEICを英語力(会話力も含む)を測る指標として採用しているのでしょうか。
さすがに外資系企業は何年も前から気が付いているようですが、TOEICは「英語が話せる証明」にはなりえません。
TOEIC900点台(990点も含みます)は
- 英語の基礎(語彙や文法知識)を押さえている人
- 基本的な『聞く』『読む』ができる人
のスコアにすぎないのです。
TOEICで使用される単語は「異常」とも言えるほど簡単。
さらに、リスニングはきれいな発音のナレーターが公共放送のように丁寧に話してくれます。
ですので、リスニングは実際の会話に比べ、きわめて簡単です。
とどめは、「TOEICではスピーキング力を問われない」という事実です。
(「TOEIC Speaking & Writing」もありますが、メジャーとは言えないので、ここでは割愛します)
じゃあ、どうやって「会話力」を測定するのか?
TOEICのスコア以外に、スピーキング力を測定するテストを活用しましょう。
おすすめは「VERSANT」です。
英語スピーキングテスト「VERSANT」を活用しよう
「VERSANT」は、大手グローバル企業や各種政府機関で採用されているスピーキング試験です。
数あるスピーキングテストの中で、VERSANTが最も優れている点は、
スマホさえあれば、「いつでも」「どこでも」「短時間で」受験が可能
という点に尽きます。
試験時間は、約20分と、忙しいビジネスパーソンには最適です。
VERSANTで何点くらい取れると「話せる」と判断してよいのか?
VERSANTは
- 語彙
- 文章構文
- 発音
- 流暢さ
の4つの項目でスコアが出ます。
それをもとに、合計スコアが算出されます。
合計スコアは「最低20、最高80」です。
私はこれまで何人ものVersantスコアを見てきました。その経験上、以下のことが断言できます。
- 30点台、40点台は「話せない」
- 30点台、40点台は持っていてもあまり意味がない(理由は後述します)
- 50点以上あれば、「辛うじて英会話力が必要な業務に耐えられる」
- 帰国子女でも留学経験者でもないのに60点以上あれば、賞賛に値する
ですので、「50点以上」をひとつの目安にしましょう。
VERSANT30点・40点前半台は持っていてもあまり意味がない
VERSANTで30点台・40点台を取っても、あまり意味があるとは言えません。
理由は、十分な文法知識がなくても、発音さえ良ければ、VERSANTで40点台後半までは取れるからです。
例えば、正しい文法知識や読解力がなくても、洋楽が好きで、発音さえよければ、40点台後半までは取れるのです。
しかし、そういった人は「50点以上は取れない」ということが、過去の統計上わかっています。
言うまでもなく、英語を話すためには、正確で十分な文法知識が不可欠です。
スピーキング力がどんどん伸びていくのは、文法力がある人だけです。
VERSANTで50点以上を取れるかどうか
あなたが、自社で「英語を本当に話せるのか」知りたい人がいれば、VERSANTを活用してみましょう。
そして50点以上取れれば、英語業務についてもらっても大きな心配はないでしょう。