リスニング強化法として定着したシャドーイング。
でも、本当に「正しく」できていますか?
シャドーイングの正しいやり方を理解して、リスニングを飛躍的にアップさせましょう。
「シャドーイング」とは?
「シャドーイング」とは、英語の音声を流し、文字どおり「影」のごとくその音声をモノマネするように発音する練習法です。
流れてくる音声より少しだけ遅れて聞こえた音を発声し、リスニング力のアップに効果があることは科学的にも立証済みです。
- 「Tom is thinking about moving to Australia...」という音声を流れているとします
- 「Tom is...」が聴こえてきます
- 自分も「Tom is...」とモノマネしながら発声していきます
- 音声が止まるまで、3をひたすら続けていきます
シャドーイングは、最もポピュラーなリスニング強化法です。
「科学的」な学習法をうたうコーチング系スクールはもちろん、最近では意識の高い中学校でも取り入れられています。
ですが、筆者が見てきた限り、正しい練習法を理解している人はほぼ皆無です。
正しいやり方でシャドーイングができていなければ、効果が激減します。
そうならないためにも、正しいシャドーイングのやり方を理解しておきましょう!
シャドーイングの4つのステップ
シャドーイングの練習法は、大きく分けると次の4つのステップから構成されます。
1. スクリプトを読んで、内容を確認する
2. スクリプトを音読する
3. 「音マネ」のシャドーイング
4. 音声の意味を考えながら、情景をイメージしながらのシャドーイング
それぞれ具体的に見ていきましょう!
1. スクリプトの内容確認
まず、音声のスクリプト(文字に起こした英文)を読んで、内容を確認します。
スクリプトを読んだこともない英語の音声をシャドーイングしても効果は激減します。
これだけは絶対にやらないように注意しましょう。内容を理解していない英文のシャドーイングは絶対にダメです。
知らない単語やフレーズがあればその意味を調べて覚える
文法的に理解できないところがあれば、どのような構造になっているのかを時間をかけて理解する
このように、たとえ時間がかかってもスクリプトの内容をすべて読んで理解するように努めてください。
裏を返せば、スクリプトを読んでも内容がわからないのであれば、その音声はシャドーイングの素材として不適格です。
「英語の音声だけ聴いても内容の半分くらいしか理解できないけど、読めば全部わかる」のがちょうど良い素材です。
2. スクリプト音読
内容を確認したら、スクリプトを5回~10回ほど音読してみましょう。
発音しにくいところがあれば、上手く発音できるまで練習しましょう。
ただ、上級者はこのステップを省略しても構いません。
3. 「音マネ」のシャドーイング
「音マネのシャドーイング」とは、文字通り、聴こえてくる英語の音声のモノマネをするシャドーイングです。
聞こえた英語の音声を、そのまま発音していきます。
英語は音の強弱や抑揚のつけ方が日本語とは大きく違います。
突然スピードがアップするところや声の高低に至るまで、すべての音を「完コピ」できるようになるまで繰り返し練習しましょう。
このとき、音声の内容を考える必要はありません。
とにかく、ここでは耳に入ってくる「音」を再現することに集中してください。
4. 意味を考えながらのシャドーイング
「意味を考えながら、情景をイメージしながらのシャドーイング」とは、流れている音声がどういう話をしているのかを考えながら行うシャドーイングです。
その内容をイメージしながら、情景を頭の中で描きながらするシャドーイングのことです。
音マネをするのと同時に、意味をしっかり考えながらシャドーイングができるまで、何度も反復して練習しましょう!
音声が速すぎてついていけない場合はどうするの?
筆者はこれまでマンツーマンで数百人の受講生と向き合ってきましたが、その中で多くの方に
「シャドーイングをやってみたけど、音声が速すぎてついていけない。どうしたらよいか?」
という質問を受けました。
こんな時には、まずはアプリ等を使い、音源のスピードを自分がついていけるスピードまで遅くしてシャドーイングをしましょう。
例えば、「CloudBeats」というアプリはおすすめです。
このアプリはGoogle DriveやDropboxといった各種クラウドサービスと連動しています。
クラウドに保存してある音源のスピードを自在に変えて聴くことができるので、とても便利です。
まずはこういったアプリを使って0.7倍速程度から始めてみるのがよいでしょう。
そして、慣れてきたら速度を0.8倍速、0.9倍速と徐々に上げていき、最終的には等倍速でのシャドーイングがで着るようになることを目標にしましょう。
自分のシャドーイングを聞いてみよう
最後に、ある程度1つの音源のシャドーイングが仕上がってきたら、自分のシャドーイング音声を録音してみましょう。
そして、上手く言えていないところはないか、音源と比べて発音がおかしいころはないか等を確認するところまでできれば学習法としては完ぺきです。
シャドーイングを継続すれば、あなたのリスニング力は確実にアップするはずです。
ぜひ参考にしてください!